過去数十年間、自動車産業は、燃焼エンジンから発生する公害を防ぐために、非常に優れた取り組みを行ってきました。そして今、次の課題として、自動車のブレーキシステムから発生する微細粉塵について取組んでいます。
交通量増加による微細粉塵の増加について
世界的に見ると、道路交通量は年々増加し、多くの車が道路を走っています。また、多くの地域で交通渋滞が発生し、ブレーキの使用が多くなっています。その結果、ブレーキディスクから発生する微細粉塵は、自動車公害の約21%*を占めるようになりました。
この汚染は深刻な健康被害をもたらすため、多くの規制当局が自動車産業に対して、これらの排出物を大幅に削減する新たな強制目標を課しています。
*ダン・ワケリング「ブレーキ摩耗排出の大気中の粒子状物質への影響」(Eurobrake2018プレゼンテーション)
当社のソリューション
Metco Joining & Claddingは、高速レーザークラッディングと自社開発・製造の専用材料の組み合わせにより、今後の規制目標に対応するソリューションを開発しました。実際、Metco Joining & Claddingは、連続生産に対応したブレーキディスク専用のコーティングパウダーとアプリケーション技術を開発・提供した最初の企業です。
DiscCover ™Beam:ブレーキ時の微細粉塵対策に画期的なソリューション
DiscCover Beamは、高速レーザークラッドと当社のブレーキ専用パウダーMetcoBrake™を用いて、自動車のブレーキ時に発生する微細粉塵を大幅に低減します。
DiscCover Beamのリューションは、すでにOEMによるテストに成功し、ブレーキ性能を維持しながら微細粉塵排出を低減できることが実証されています。
DiscCover Beamでコーティングされたディスク |
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トライボロジーAKマスター(公称値 - µ) | 0.4 ~0.44 |
トライボロジーAKマスター(最小値 - μ) | 0.3 ~0.35 |
摩耗低減{ | > 10倍 ねずみ鋳鉄裸材比 |
耐食性 | > 1000 h 塩水噴霧 |
微細粉塵排出量 | <3 mg/km/台 |
DiscCover Beamのソリューションプロセスの利点
- ハードフェーズを含むMetcoBrake™パウダーは、ブレンドの必要がなく、加工が簡単です
- ボンドコート不要の単層構造で、加工時間や粉体使用量を低減できます
- より高い性能が要求される自動車向けの専用粉体による多層化ソリューション
- 耐食性に優れ、クラックフリーのコーティングソリューション
- 1枚あたり1分以内の高速コーティング処理時間
- コーティング厚の調整(1層で100~300μm)が可能で、コストと寿命の最適化に役立ちます
- リアルタイムな現場でのプロセス監視により、コーティング後の品質管理とリワークを低減
- 取り代を最小限に抑えた仕上げ研削と研削工具の低コスト化
- ニッケル、コバルトおよび銅を含まないコーティングは、現在および将来の規制要件(REACH)に適合しています
- 試作、立ち上げ、量産試作時に、お客様は当社の専門的なコンサルティングと加工サービスをご利用いただけます
継続的な開発
耐摩耗性の向上、加工の高速化、コスト低減を目指し、ブレーキディスクソリューションの開発を続けています。Metco Joining & Claddingは、乗用車、商用車、トラック、鉄道車両用のブレーキディスクソリューションを提供・開発しています。これらのソリューションの詳細や、お客様のご要望に合わせたソリューションのご提案については、お問い合わせください